Japan Research Center

ハーバード・ビジネス・スクール日本リサーチ・センターは、2002年1月に東京に開設されました。HBS教官の日本における研究とケース・スタディ作成 を支援することがセンターの主な目的です。日本リサーチ・センターはHBSのグローバルな研究・教育 活動を推し進める重要な一翼を担ってまいりました。日本リサーチ・センターの支援によって、HBS教官は日本企業の経営課題、最新の動向、慣行についての 理解を深め、日本の視点を適切に取り入れたケース・スタディや教材を作成して、MBA・エグゼクティブ教育プログラムの充実を図ることができます。また、 日本の企業、大学、政府機関、HBS卒業生などとの絆を強めて、HBSの活動のインパクトを確実なものにすることを目指しています。日本リサーチ・セン ターの協力により、HBSの教官は日本企業の経営の重要な革新を認識・研究し、自らのアイディアを日本の枠組みの中で発展させ検証することができます。

東京でリサーチ・シンポジウムを開催

ハーバード・ビジネス・スクールは、2007年3月23日に東京でリサーチ・シンポジウムを開催し、ジェイ・ライト学長が開会の挨拶を行いました。リサーチ・シンポジウムに関する情報はここをクリックしてください。


2005年


Governing Sumida Corporation (スミダコーポレーションの企業統治)

リン・ペイン教授(ゼネラル・マネジメント)は、スミダコーポレーション株式会社(コイル、巻き線電子部品の日本のトップメーカー)の統治システムに焦点を当てたケースを作成しました。 日本では2002年5月に施行された商法改正によって、企業は、従来の監査役設置会社、もしくは米国の制度に倣った委員会等設置会社を選択することが可能となり、スミダは日本で初めて後者を採用しました。このケースは、スミダの統治システムがこれまでどのように発展してきたかを論じた上で、更なる改善の必要性について問いかけます。

NOK (A) (NOK株式会社 (A) )

ダス・ナラヤンダス教授 (マーケティング) は、鶴 正登社長 (HBS MBA '77) が経営するグローバルな自動車部品メーカー、NOK株式会社についてのケースを作成しました。(A)ケースは、同社が、会社レベルで利益を管理する方法から、各製品や顧客レベルの管理への変更を試みた2001年が舞台となっています。NOKの2つの既存事業(自動車部品と電子部品)は, 全く異なる販売・マーケティングの構造、開発プロセス、ライフサイクル、製造上の条件を持っていたため、これは困難な取り組みでした。(B)ケースは2005年の夏の状況を描写しています。

Toyota Motor Corporation: Launching Prius (トヨタ自動車:プリウスの誕生)

フォレスト・ラインハート教授 (BGIE) と デニス・ヤオ教授 (ストラテジー) はトヨタ自動車のハイブリッド車プリウスについてのケースを作成しました。トヨタでは1993年に21世紀の車を考案するためにプロジェクト・チームが作られました。 このチームの努力と、 当時社内で進行中の取り組みが相俟って、世界初の量産ハイブリッド車の開発に成功しました。 このケースは、トヨタが当時直面していた課題(商品企画の遅れ、国内市場でのシェアの落ち込みなど)と奥田新社長(当時)のリーダーシップに焦点を当てています。

Japan: Deficits, Demography, and Deflation (日本:財政赤字、人口問題、デフレ)

リチャード・ヴィーター教授(BGIE)は、日本の財政赤字、人口問題、デフレ経済に関する課題に焦点を当てたケースを作成しました。このケースは、竹中 平蔵 内閣府特命担当大臣(経済財政政策)(当時)を始めとして、財務省、日本銀行や内閣府の高官、研究員、大学教授、エコノミスト、また、大企業や大手銀行の トップ等20人を越える人々への広範囲なインタビューに基づいて作成されました。このケースは必須科目であるBGIEの授業で使用されます。

Transformation of Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 2005 (A)
(松下電器産業 (A))


吉野 洋太郎 (マイケル・ヨシノ)教授(ゼネラル・マネジメント)は家電製品の分野で世界をリードする松下電器産業株式会社についてのケースを作成しました。松下は1990年代に業績低迷に苦しみましたが、2001年に就任した中村 邦夫社長が、同社を抜本的な方法で変革し、V 字回復を果たしました。このケースは (A)、 (B)(C)の連続したケースで構成されています。

Nomura Holdings (野村ホールディングス株式会社)

タルン・カナ教授(ストラテジー)は野村ホールディングス株式会社について、同社の企業戦略と統治構造に焦点を当てたケースを作成しました。野村ホールディングスは、2003年に商法改正に伴い、委員会等設置会社への移行を検討していました。これは、米国で広く採用されている統治構造によく似たシステムです。このケースを使って、野村の戦略上の選択肢、コーポレート・ガバナンスの選択肢、そしてその二つ決定の関係について議論することができます。

eAccess Ltd. (イー・アクセス株式会社)

トム・アイゼンマン教授(アントレプレナー・マネジメント)は、日本で最大規模のADSL回線ホールセール通信事業を営む新興企業のイー・アクセス株式会社についてのケースを作成しました。このケースはイー・アクセスの沿革、通信業界の状況、ソフトバンクの参入とその結果生じた市場の爆発的な拡大について記述しています。このケースは、2004年11月におけるイー・アクセスの戦略的代替案、特にワイヤレス事業への参入の可能性に関する問題提起によって締めくくられています。

NTT DoCoMo, Inc. : Mobile FeliCa (株式会社NTTドコモ:モバイル フェリカ)

スティーヴン・ブラッドレー教授(ストラテジー)とトム・アイゼンマン教授(アントレプレナー・マネジメント)は、携帯電話を利用して「生活インフラ」サービスを提供する、NTTドコモの取り組みについてのケースを作成しました。この携帯電話に搭載された非接触型ICカード技術(ソニーが開発)を用いたサービスにより、利用者は店での支払い、電車への乗車、ビルへの入館が可能になります。このケースは、NTTドコモの競争的環境とフェリカの技術を利用した戦略的選択肢について論じています。

Crisis at Japan Communications, Inc. (日本通信株式会社)

ダン・アイゼンバーグ教授(アントレプレナー・マネジメント)は、日本通信株式会社についてのケースを作成しました。同社は、1996年に三田聖二社長(AMP93)によって設立されたワイヤレス・コミュニケーション・サービスを提供する通信事業サービス・プロバイダーです。このケースは、株式市場の急落後、主幹事証券会社から株式公開を中止するようにとの提案を受けた三田社長が直面した課題について論じています。このケースは、MBA1年目の必須科目であるアントレプレナー・マネジャーの授業で使用されました。

Ito-Yokado: The Challenge of Apparel (イトーヨーカ堂:アパレル部門の挑戦)

ラジヴ・ラル教授(マーケティング)は、日本で最も高収益のスーパーマーケットのイトーヨーカ堂について、アパレル事業に焦点を当てたケースを作成しました。鈴木敏文会長兼CEOは、セブン-イレブン・ジャパンを築き上げましたが、業務改革を実行してイトーヨーカ堂とセブン-イレブン・ジャパン両社のビジネスの手法を大幅に変革しました。2005年、鈴木 会長は、食品ビジネスでは成功を収めた改革がアパレル・ビジネスでは通用しないという新たな課題に直面しました。このケースは、「日本のアパレル市場の概況」「単品管理:セブン-イレブン・ジャパンの小売手法」という併読用ノートと併せて使うことができます。


2004年


Rakuten(楽天)

ウォーレン・マクファーラン教授(ゼネラル・マネージメント)、アンドリュー・マカフィー教授(技術・生産管理)、トム・アイゼンマン教授(アントレプレナー・マネージメント)が共同で楽天の新しいケースを作成しました。同社は、三木谷浩史社長(HBS MBA '93)が創立し、インターネット・ショッピング・モール事業で成功を収めています。このケースでは、楽天がどのように顧客・ショップの数・取引を増やしたか、企業買収を通じて多角化を進めたか、ヤフー・ジャパンと競争してきたか、に焦点を当てています。

The Continuing Transformation of Asahi Glass: Implementing EVA
(たゆまざる旭硝子の改革:EVAの導入


ミヒール・デサイ教授(ファイナンス)は、旭硝子を真のグローバル企業に変革する為のイニシアティブ―EVAの導入、グローバルなビジネス・グループへの組織改革、主要ポストへの外国人の登用、およびコーポレート・ガバナンス改革―についてのケースを作成しました。このケースでは、資源配分方法の改善や、幹部社員の業績評価に、EVAがどのように用いられているかが詳細に記述されています。

ORIX KK: Incentives in Japan (オリックス株式会社:日本におけるインセンティブ

ナンシー・ボーリュー教授(交渉・組織・市場)は、業績評価と報酬システムに焦点を当てたオリックスのケースを作成しました。宮内会長兼グループCEOは、チームワークと非金銭的報酬を重んじる日本の伝統的なシステムと、個人のパフォーマンスと金銭的報酬を重んじる欧米的なシステムをバランスよくミックスさせる試みに挑戦しています。

Making China Beautiful: Shiseido and the China Market
(中国を美しく:資生堂と中国戦略)


ジェフリー・ジョーンズ教授(アントレプレナー・マネージメント)は資生堂の国際戦略と中国市場へのフォーカスについてのケースを作成しました。資生堂は、他の競合企業に先駆けて1981年に中国に参入し、他社が羨望するようなポジション―資生堂のオプレ・ブランドは、中国の90パーセント以上のデパートで最大の市場シェアを誇る―を確立しました。このケースは、競争の激化に直面する資生堂の戦略と挑戦を吟味します。

7- Eleven, Inc.(セブンイレブン)

デビッド・ベル教授(マーケティング)が、日本のコンビニエンスストア・チェーン業界最大手の セブン-イレブンについて、食品ビジネス(弁当・惣菜等)に焦点を当てたケースを作成しました。このケースはアグリビジネス・セミナーのために作成されたものですが、ラジヴ・ラル教授(マーケティング)の2年生の選択科目でも使用されました。インタビューは東京とダラスで行われました。

Transforming Mitsubishi Corporation, 2004 (三菱商事の変革)

マイケル・ヨシノ教授(ゼネラル・マネジメント)は、三菱商事についてのケースを作成しました。同ケースは日本最大手の商社とその新任の社長が直面している課題(限定された事業と地域への高い依存率、人材育成、及び市場による評価)に焦点を当てています。

MK Taxi: Private Chauffeur Service (MKタクシー:プライベート・ショーファー・サービス)

アンドリュー・マカフィー助教授(技術・生産管理)は、MKタクシーのプライベート・ショーファー・サービスについてケースを作成しました。このサービスは携帯電話とGPS(全地球測位システム)を利用した新しいサービスで、現在、東京で提供されています。MKタクシーは、革新的な創業者が経営する中規模のタクシー会社で、京都に本社があります。このケースは、今年の秋に「情報化時代の経営」という2年生の選択科目で使用されます。

Peace Winds Japan (ピース・ウィンズ)

ジョン・クエルチ教授(マーケティング)が2003年に作成した、成功を収めた日本のNGOに関するケースが改訂され、ティーチング・ノートと併せて使うことができるようになりました。このケースでは、創業者、アフガニスタン・イラクのフィールド・マネージャーが紹介されており、国際的なNGOの使命、戦略、組織、予算の基礎について非常に個人的なレベルで検討・理解することができるようになっています。


2003年


Transforming Matsui Securities (松井証券の変革)

リンダ・アップルゲート教授(アントレプレナー・マネジメント)は、小さな証券会社だった松井証券が、どのようにして成功を収める大手オンライン証券に変貌を遂げたかについてのケースを作成しました。このケースは、松井道夫社長のリーダーシップと同社の変革をもたらした一連のイノベーションに焦点を当てています。
また、このケースはOnline Securities Trading in Japanという併読用ノートと併せて使うことができます。このノートは、日本の証券業界の現況と、オンライン証券会社(松井証券、E*トレード、DLJディレクトSFG証券、マネックス証券など)が、急成長する業界の中でどのようにして主要なプレーヤーになったかを描いています。アップルゲート教授はネットワーク化されたグローバル市場・組織に関する研究をしており、これまでにUnderstanding Securities Markets in the United States and Japan (2002)、NASDAQ Japan: E-Merging Markets (2001) などのケースを作成しました。

Kikkoman Corp.: Consumer Focused Innovation
(キッコーマン株式会社:消費者視点のイノベーション)


ロヒト・デシュパンデ教授(マーケティング)は、世界最大の醤油メーカー、キッコーマンについてのケースを開発しました。同社はアジア以外の市場に醤油を普及させるために、1950年代以来海外に進出してきました。このケースではキッコーマンの国際マーケティング戦略やブランド管理について論じています。日本市場の飽和と競争激化に直面し、増収のために革新的手法を開発しようとしている茂木友三郎社長の課題を描いています。

Yamato Transport: Valuing and Pricing Network Services (A)
(ヤマト運輸:ネットワークサービスの評価とプライシング (A))


タルン・カナ教授とフィリックス・オバーホルツァー助教授(ストラテジー)は、1年生(必修)用ストラテジー・コースのために、大手宅配便会社のヤマト運輸のケースを作成しました。このケースは、この業界の概要を説明した上で、ヤマト運輸がどのように「宅急便」事業を育成し、一連の新商品開発を通じて首位を維持してきたかを議論します。ヤマト運輸がどのように競争上の優位性と顧客にとっての価値を作り出したのかに焦点を当てています。日本の郵便局が民営化され、将来アグレッシブな競争相手になることが予想されるので、2003年末、山崎篤社長は新たなチャレンジに直面しています。(Bケースはこちら)  

Investing in Japan (日本への投資)

ルイス・ビセーラ助教授とピーター・ヘクト助教授(ファイナンス)が、投資マネジメントの観点から日本の金融市場を取り上げたケースを作成しました。このケースはデフレ経済、株式・不動産市場の低迷により、日本のファンド・マネージャーが直面する課題を描いています。

The Renault-Nissan Alliance (日産・ルノー同盟)

マイケル・ヨシノ教授 (ゼネラル・マネジメント) が、1999年3月に締結されたルノーと日産自動車の戦略的提携についてのケースを作成しました。このケースでは、2つの企業のアイデンティティと独自の文化を維持しつつ、提携によるシナジー効果を実現する為の戦略的かつ事業的な課題を取り上げています。このケースのインタビューは、カルロス・ゴーン社長のリーダーシップの下での日産自動車の変革を扱ったケースNissan Motor Co. Ltd.-2002 (日産自動車2002)と同時期に行われました。

Peace Winds Japan (ピース・ウィンズ)

ジョン・クエルチ教授(マーケティング)が、1996年に設立された日本のNGOについてのケースを作成しました。ピース・ウィンズ・ジャパンは、イラク北部、アフガニスタン、コソボ、東ティモールなどの地域で、政治的事情や自然災害による被災者の支援を行っています。このケースでは、フィランソロピーがまだ根付いていない社会環境とともに、設立後間もないNGOの戦略的・事業的な取組みについて論じています。


2002年


NTT DoCoMo: Marketing i-mode to Masses (NTTドコモ:iモードを多くの人へ)

ヤンミ・ムーン教授(マーケティング)は、NTT DoCoMoが新しいサービスのマーケティング戦略をどのように構築・実施したかについて研究しました。iモードを成功に導いたその戦略は、従来の発想や確立されたマーケティング手法と相容れないものでした。

Australia-Japan Cable (オーストラリア・ジャパン・ケーブル)

ベン・エスティ教授(ファイナンス)は、プロジェクト・ファイナンスのコースのためにこのケースを作成しました。Australia-Japan Cableは、オーストラリア、グアム、日本をつなぐ海底光ファイバー・ケーブルの敷設・運営を行なう、テルストラ、MCIワールド・コム、NTTコミュニケーションズ、日本テレコムその他の合弁企業です。このケースは、このプロジェクト企業のガバナンスの問題を扱っています。

Nissan Motor 2002 (日産自動車2002)

マイク・ヨシノ教授(ゼネラル・マネジメント)と江川雅子(日本リサーチ・センター長)が、カルロス・ゴーン社長のリーダーシップの下での日産の再建に関するケースを作成しました。このケースは、ルノーが日産の経営権を掌握した1999年春から、ゴーン社長が日産リバイバル・プランを通じて業績を回復させた2002年半ばの時期に焦点を当てています。

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