Japan Research Center
ハーバード・ビジネス・スクール日本リサーチ・センターは、2002年1月に東京に開設されました。HBS教官の日本における研究とケース・スタディ作成を支援することがセンターの主な目的です。日本リサーチ・センターはHBSのグローバルな研究・教育活動を推し進める重要な一翼を担ってまいりました。日本リサーチ・センターの支援によって、HBS教官は日本企業の経営課題、最新の動向、慣行についての理解を深め、日本の視点を適切に取り入れたケース・スタディや教材を作成して、MBA・エグゼクティブ教育プログラムの充実を図ることができます。また、日本の企業、大学、政府機関、HBS卒業生などとの絆を強めて、HBSの活動のインパクトを確実なものにすることを目指しています。日本リサーチ・センターの協力により、HBSの教官は日本企業の経営の重要な革新を認識・研究し、自らのアイディアを日本の枠組みの中で発展させ検証することができます。
ニュースレター No. 12 | 2008年8月
2008年上半期の活動について
ケース
Kazuo Inamori: Japanese Entrepreneur(稲盛和夫―日本の起業家)
トニー・メイヨー
教授(組織行動)は、京セラ株式会とDDI(現KDDI)という、フォーチュン500社に数えられる企業を二社設立した稲盛和夫についてのケースを作成しました。このケースは、稲盛の、小さなベンチャー企業にとって困難な環境の中で京セラを創立し育成した努力と、NTTに競合する新しい電気通信事業会社を設立するという挑戦について論じています。
同ケースでは、稲盛のリーダーシップに影響を与えた環境要因を探ります。
Sony Digital Entertainment(ソニー・デジタルエンタテインメント・サービス)
アニタ・エルバース(マーケティング)は、ソニー・デジタルエンタテインメント・サービスの携帯小説のコンテンツを開発する取り組みに焦点を当てたケースを作成しました。このケースでは、まず日本の若い世代がどのようにして携帯電話で小説を書いたり読んだりするようになったかを論じた上で、新しいコンテンツに基いて持続可能なビジネスモデルを構築するにあたっての同社の課題について述べています。
Terumo(テルモ株式会社)
デイビット・ゴーデス(マーケティング)は、日本の大手医療機器メーカーのテルモ株式会社についてのケースを作成しました。グローバル企業との熾烈な競争と日本の医療制度の大きな変化に直面し、同社の心臓・血管事業部門のトップは、戦略的新製品「ソリューションパック」のマーケティングを改善しなければなりませんでした。更に、米国市場への直接販売を開始すべきかの決断も迫られていました。
Carlyle Japan(カーライル・ジャパン)
デイビット・ゴーデス(マーケティング)は、米国の大手プライベート・エクイティ投資会社の日本の拠点、カーライル・ジャパンについてのケースを作成しました。カーライル・ジャパンは、機密情報にアクセスできるメインバンクのネットワークを活用して成功を収めました。しかし、ちょうど同社が最初のファンドよりかなり大規模な二番目のファンドを立ち上げた頃から、魅力的な新しい投資先を見つけることが次第に困難になってきました。
ボストンからの教官等の訪問
2008年上半期には、リチャード・ルーバック教授(ファイナンス)とガナー・トランブル教(BGIE)が、研究やケース作成のために来日しました。また、ウィリス・エモンズ (C.
ローランド・クリステンセン教育センターのディレクター)は、エグゼクティブ・エデュケーション・プログラムやケースメソード教授法セミナーで教えるために東京を訪れました。また、ジェイ・ライト学長も同窓会主催の創立100周年のイベントに出席するために東京を訪問しました。学長は短期間の滞在中に、日経ビジネスの取材を受けたり、多くの同窓生に会ったりしました。
今年の初めに、パメラ・ラルストン(MBAプログラムのアシスタント・ディレクター)は、MBAプログラム出願者の面接のために東京を訪れました。7月初旬には、リントン・ヘイズ(エグゼクティブ・エデュケーション部門のエグゼクティブ・ディレクター)が、新しいエグゼクティブ・エデュケーション・プログラムについて日本企業と話し合い、新たな機会を開拓するために来日しました。ジーン・カニングハム(アシスタント・ディーン),
ステファニー・ゴフ(アルムナイ・リレーションのシニア・ディレクター)、リチャード・メルニック(CFO)、ジョシュア・メロー(ディベロップメントのマネージング・ディレクター)、プレスコット・スチュアート(エクスターナル・リレーションズのアソシエイト・ディレクター)が、6月27日に開催されたHBSの100周年のイベントに出席するためにジェイ・ライト学長と共に東京を訪問しました。
テッド・ギルマン(ハーバード大学・ライシャワー日本研究所の事務局長)は、日本リサーチ・センターを訪れ、早稲田大学と共同で行うサマー・スクール・プログラム、インターンシップ・プログラム等、ライシャワー日本研究所の日本における活動について説明しました
。
HBS創立百周年のイベント
6月27日に東京のコンラッドホテルで、HBS日本同窓会と学校との共催でHBS創立100周年のイベントが催され、180人以上の同窓生やゲストが出席して大成功を収めました。その晩は、カクテルに続いて着席形式のディナーが行われました。同窓会長を務める鶴正登(MBA 1977、NOK株式会社 社長)が開会の辞を述べ、乾杯の音頭をとりました。後に、吉野洋太郎名誉教授による紹介を受けて、ジェイ・ライト学長が、上海におけるオフィス(ハーバード大学中国ファンドと共同)開設やMBAプログラムの国際化等、HBSの主要なイニシアチブに関するスピーチを行いました。また、日本リサーチ・センター長の江川雅子(MBA1986)が、センターの活動に関する短いプレゼンテーションを行いました。最後に、異なった世代の卒業生、茂木賢三郎(MBA1973、キッコーマン株式会社 取締役副会長)、柴田 拓美(MBA1983、野村ホールディングス株式会社 執行役副社長 兼 COO)、御立尚資(MBA1992、株式会社 ボストンコンサルティンググループ 日本代表)、岩瀬大輔(MBA2006、ライフネット生命保険株式会社 取締役副社長)によるパネルディスカッションが行われました。竹内弘高教授(一橋大学大学院 国際企業戦略研究科長)が司会を務めたパネルディスカッションはとても活気に溢れていました。
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