Japan Research Center

ハーバード・ビジネス・スクール日本リサーチ・センターは、2002年1月に東京に開設されました。HBS教官の日本における研究とケース・スタディ作成を支援することがセンターの主な目的です。日本リサーチ・センターはHBSのグローバルな研究・教育活動を推し進める重要な一翼を担ってまいりました。日本リサーチ・センターの支援によって、HBS教官は日本企業の経営課題、最新の動向、慣行についての理解を深め、日本の視点を適切に取り入れたケース・スタディや教材を作成して、MBA・エグゼクティブ教育プログラムの充実を図ることができます。また、日本の企業、大学、政府機関、HBS卒業生などとの絆を強めて、HBSの活動のインパクトを確実なものにすることを目指しています。日本リサーチ・センターの協力により、HBSの教官は日本企業の経営の重要な革新を認識・研究し、自らのアイディアを日本の枠組みの中で発展させ検証することができます。

2014年3月中旬、HBSの教授が今の日本について学ぶというJapan on the Moveプログラムと、教授陣が日本の企業の経営幹部、学者、HBSの卒業生に向けて最新の研究成果を発表するJapan Research Symposiumを開催いたしました。来日した教授数は18名、HBS史上初の規模となります。詳細についてはこちらをご覧ください。(このプログラムについては日経新聞電子版「日本を再評価:米ハーバード大」(2014年3月29日)にも掲載されました。)


これまで作成したケース一覧

2014年

Cancer Screening in Japan: Market Research and Segmentation(日本におけるがん検診:マーケットリサーチとセグメンテーション)
ジョン・クェルチ教授(マーケティング)が、パブリックヘルス分野におけるマーケティングサービスを提供する日本のベンチャー、キャンサースキャンについてのケースを作成しました。2008年にキャンサースキャンを創業して以来、福吉潤と石川善樹は日本でのがん検診受診率の向上に貢献してきました。2005年から2007年の間、日本におけるがん検診についての認知度は55%から70%に上昇しながらも、実際の受診率は横ばいでした。二人は、一年(2011年)で12000人の日本人の女性が亡くなった乳がんの健診率の向上のためにマーケティングリサーチの手法を導入しました。キャンサースキャンの2013年の250万ドルの売上の60%ががん検診関連のプロジェクトです。

Japan: Betting on Inflation? (日本:インフレへの賭け?)
フリオ・ロテンバーグ教授(BGIE)が日本についてのケースを作成しました。ケースでは、安倍晋三首相が政権について一年経った2013年末時点で抱えるチャレンジに焦点をあてています。またケースでは、80年代後半から90年代前半の株と不動産バブル崩壊後を中心とした日本経済の概要を記述しています。安倍政権となってからの最初の一年で、安倍首相は、2000年以降の日本を悩ませたデフレの解消と日本の経済成長率の上昇を目指した三本の政策を導入しました。三本の最初の矢は、インフレ率の上昇を誓う日銀総裁の任命、その総裁による日銀のバランスシートの大幅な拡大からなっています。二本目の矢は財政政策。最初は拡張路線で、しかし同時に将来の財政赤字は縮小することを目指す政策です。三本目の矢は、GDPの拡大と労働生産性の向上を目指す一連のミクロ経済改革。高齢化する人口を補うための女性労働力参画の拡大、電力費用削減を目指す電力業界改革、「健康・長寿」産業の発展の促進などが含まれます。ケースは、日本の政府高官による靖国神社参拝への韓国や中国の反応など、安倍首相の外交上のチャレンジについての記述で終わります。

Komatsu in China(コマツの中国事業)
クリシュナ・パレプ教授(戦略)が、「コマツの中国事業」のケースを作成しました。 本ケースでは、コマツが過去20年間にわたり順調に中国事業を発展させてきたこと、しかし現在、自らもグローバルプレーヤーになることを目指している低コストの中国企業からの激しい競争にさらされていることを記述しています。同様の状況下でキャタピラーはブランドを二つにわける戦略をとる中で、コマツは中国においてリーダーのポジションを維持するために何をすべきなのか、という問いを投げかけています。

Donfeng Nissan's Venucia (東風日産のベヌーシア) (A), (B), (C)
フォレスト・ラインハート教授(BGIE)が3部からなる「東風日産のベヌーシア」のケースを作成しました。Aケースでは、日本の日産自動車と中国の東風汽車の合弁会社が開発し発売した新しい中国向けブランドの乗用車「ベヌーシア」について記述しており、2012年4月の発売直後の販売実績は伸び悩み、合弁会社のマネージャーたちはどのように対応すべきかの決断を迫られている状況が描かれています。またケースでは業界の構造や政府の規制、中国の消費者の選好、そして環境への対策などについても書かれています。授業での配布用の短いBケースでは、国際関係上の日中政府間の対立によって中国の消費者そして自動車会社にとってさらに先の読めない状況が生まれ、より複雑性を増したことを記述しています。一連のストーリーはこれも授業中に配布されるCケースで完結します。

Advantage Partners: Dia Kanri (アドバンテッジパートナーズ:ダイア管理) (A), (B)
ポール・ゴンパーズ教授(ファイナンス)は、日本を代表するプライベート・エクイティ企業のアドバンテッジパートナーズによるマンション管理会社の買収に関するケースを作成しました。本ケースでは経営難に陥ったディベロッパーのマンション管理子会社への投資を通じて、投資のストラクチャリング、入札戦略、プライベート・エクイティ企業がいかにして投資先企業に付加価値を付与できるかなどについて考察します。また日本におけるプライベート・エクイティ企業の役割の考察を通じて、日本と欧米のM&A市場の比較も行います。授業中に配布されるBケースでは、Aケースにおいて検討された投資判断とその後の状況について記述しています。 

2013年

Lawson: Becoming the Community Store of 9,000 Japanese Communities(ローソン:日本の9000のコミュニティと寄り添う店を目指して)
リンダ・ヒル教授(組織行動)とアシス・マルティネス・ヘレス教授(会計・マネジメント)は、日本二番手のコンビニエンスストアチェーンのローソンについてのケースを作成しました。ケースは、2002年に就任した新浪剛史社長のリーダーシップのもと、組織や経営システムを変えることでイノベーションを生み出してきたことを記しています。また、平準化と画一性をその基本としてきたコンビニ業界では異色の取り組みである、通常のローソンとは異なるターゲットを狙い異なる商品を提供する新しい店舗形態(ナチュラル・ローソン、ローソン・プラス、ローソンストア100)について説明しています。

GREE, Inc.
アンドレイ・ハジウ教授と琴坂将廣教授(立命館大学)は、世界で最も利益率の高いソーシャルゲーム会社GREEのケースを作成しました。ケースでは、GREEが、自社開発のゲームと他のゲーム開発会社への開発のプラットフォーム提供によって日本で成功してきたことを延べ、その成功が日本以外の市場でも再現できるかどうかという問いを投げかけています。

2012年

Nippon Steel Corporation (B) (新日本製鐵株式会社(B))
ウォーレン・マクファーラン教授(会計・マネジメント)は、新日本製鉄株式会社の国際化戦略に関するケースの続編を作成しました。Bケースでは、同社が海外で運営する唯一の上流製鉄所であるウジミナス・プロジェクトの2008年以降の状況を描いています。2012年に同社は新しいパートナーであるTernium(アルゼンチンの大手製鉄会社)と共にウジミナスの経営により積極的に参画することを決定します。

A Politician in a Leather Suit and the Paradox of Japanese Capitalism (皮のスーツを着た政治家と日本の資本主義の矛盾)
カシーク・ラマーナ教授(会計・マネジメント)は、戦後日本経済の歴史、企業文化、日本の「不透明性」をめぐる議論についてのケースを作成しました。ケースは、日本の企業文化と資本市場をよりオープンにグローバルにしようと活動してきた元参議院議員田村耕太郎氏の活動を一つの例として取り上げながら、日本の課題、今後の展望について議論しています。

L'Occitane en Provence ロクシタン
ボー・ベッカー教授(ファイナンス)はフランスの化粧品会社であるロクシタンがいつどこで上場すべきかについてのケースを作成しました。ケースには、ロクシタンのビジネスと戦略の概要、IPOのプロセス、ロクシタンの上場先となりうる証券取引所(パリ/ユーロネクスト、ロンドン、ニューヨーク、ナスダック、香港)について描いています。このケースは上場の利点とコスト、企業価値評価の意味合いについて議論する機会を提供し、またグローバルにビジネスを展開する上場予定の会社が直面するであろう選択について説明しています。

Olympus (A) and (B) オリンパス(A) (B)
ジェイ・ローシュ教授とスラージ・スリニバサン教授は、2011年秋に明らかになったカメラ・医療画像企業のオリンパスが長年にわたって行ってきた粉飾決算の問題についてのケースを作成しました。このオリンパスの問題によって、取締役会の独立性が低く、社員の会社に対するロイヤリティが高いために不正があっても指摘がなされにくいという企業文化がある日本のコーポレートガバナンスのあり方が、どのように見直されたのか、について描いています。

2011年

Language and Globalization: "Englishnization" at Rakuten (言語とグローバル化:楽天の「社内英語公用語化」)
グローバル市場で急速に事業を展開している日本のオンライン小売業最大手の楽天株式会社の会長兼社長の三木谷浩史氏は、同社を世界一のインターネット・サービス企業にするという最終目標を掲げる中、「社内英語公用語化」を宣言します。これは7100人の全日本人社員に対して2年間で英語習得を義務づける意欲的な取り組みで、大々的に報道されました。三木谷氏の目標は自社の成功だけでなく日本社会における言語や文化の境界を取り除くことにあります。発表当時、同社の日本人社員で英語を業務で使える人は約10% 程度しかいませんでした。そのような日本人社員にとっては影響が大きく、期限までに目標のスコアに達しない場合は降格されるリスクさえあります。
本ケースでは、この意欲的な「社内英語公用語化」導入決断の背景、並びに実施してから1年以上経った時点での影響について述べています。「英語の社内公用語化」が進むにつれ、生産性の損失、勉強時間の不足、上司の間での意見の隔たりが社員の英語習得と業務の遂行の成功を妨げています。日本国内の業務のみ担当する社員からは社内英語公用語化の義務化に疑問視する声さえ上がっています。発表から15カ月経っても、ほとんどの社員は目標の英語のスコアに達していませんでした。期限が迫る中、三木谷氏はこの急進的な改革を成功させるために何ができるのか?彼は社内英語公用語化の成功、自社のさらなるグローバル展開の推進、さらには日本の将来の発展のためにどのように進むべきか決断しなければなりませんでした。

Knowledge Creation at Eisai Co., Ltd. (エーザイにおける知識創造)
竹内弘高教授は日本の製薬企業であり「ヒューマン・ヘルス・ケア(hhc)」を企業理念としているエーザイについてのケースを作成しました。hhcとは「ヘルスケアの主役が患者様とそのご家族、生活者である」ことを意味し、エーザイは理念への深いコミットメントで知られています。ケースでは、エーザイがhhcを重視し「知識創造」理論を適用することで、イノベーションを生み出してきたことを説明しています。2010年前後に米国での主要な薬の特許が切れることを踏まえ、エーザイは二つのことを行ってきました。一つは新薬のためにM&Aや組織再編を通じてR&Dのスピードと質を高めること、もう一つは新興国市場への進出です。ケースは最後に、エーザイがこうした新しい方向へ進む中でhhcや知識創造は一体どのような役割を果たしていくのか、という質問を投げかけて終わります。

mixi (ミクシィ) (B)
ミシェク・ピスコロスキ教授は2008年に出版された "mixi (ミクシィ)"の続編のケースを作成しました。このケースはソーシャルネットワークのミクシィの2010年春までの軌跡をまとめています。引き続き20万以上のユーザーを持つ日本最大のソーシャルネットワークでありながらも、他の二つの日本のソーシャルネットワーク-DeNAとGREE-の成長を受け、ミクシィの競争環境は厳しさを増していました。しかしミクシィは自らを「日本では唯一の真のソーシャルネットワーク」と呼び、ソーシャルゲームに注力することで急激に成長したDeNAとGREEとは一線を画した戦略を取り続けていました。

Deferred Tax Assets in Basel III: Lessons from Japan (バーゼルIIIにおける繰延税金資産:日本からの教訓)
デービッド・ホーキンス教授とカシーク・ラマンナ教授が、繰延税金資産のケースを作成しました。国際決済銀行(BIS)での新しい銀行に対する監督の枠組み(Basel III)に関する議論において、繰延税金資産を自己資本に入れるべきかどうかの大きな論争が起こりました。タイトルが示すように、ケースでは日本が繰延税金資産をBIS規制の自己資本に入れるに至った経緯が描かれています。また2003年に監査法人が繰延税金資産の計上を認めないとしたため自己資本比率が基準の半分以下まで落ち込み、巨額の公的資金の注入を受け国有化されたりそな銀行の事例も説明しています。ケースは、米国・英国の強い反対がありつつも、繰延税金資産をBasel IIIにおける自己資本に組み入れることが認められた、という2010年の時点で終わります。

GLOBIS (グロービス)
ムクティ・カイール教授はグロービス経営大学院についてのケースを作成しました。グロービスのパートタイムMBAは働きながらMBAを取得できるプログラムとして人気の高いプログラムでした。グロービスは2012年9月よりフルタイムの英語のMBAプログラムを開講する計画を立てていました。同プログラムはグロービスの創業者、堀義人学長が目指すグロービスをアジアでNo.1のビジネススクールにするという大志を実現するためには必要不可欠なステップでしたが、世界のビジネススクールと競合するためには海外から日本に学生を誘致するなど様々な課題に直面します。

2010年

Toyota Recalls (A): Hitting the Skids (トヨタのリコール(A)-急停止)
ジョン・クェルチ教授が2009年から2010年の間に起こった米国におけるトヨタのリコールについてのケースを作成しましたこのリコールはこれまで品質へのコミットメントと信頼性について賞賛されてきたトヨタのブランドを大きく傷つける結果となりました事件当初トヨタのトップは沈黙を守り声明はあいまいで誤解を招くものであったため米国の政府と国民は苛立ちは強まりました数週間後になってようやくトヨタは品質へのコミットメントについての明確なメッセージを出し最初のリコール通知の148日後の20102月下旬に豊田章男社長がしぶしぶ米国議会の公聴会への出席を受諾しますケースは豊田社長が公聴会で何を言うべきか考えている場面で終わります
豊田社長による米国議会での証言についてまとめた「トヨタのリコール(B)-豊田氏のワシントン訪問と、売上は回復しつつあるものの引き続きリコールが引き続き起こった20102月~7月のことを描いた「トヨタのリコール(C)-前途多難」というケースも同時に作成されています

Vodafone (A), (B) and (C)* (ボーダフォン (A) (B) (C)*)
ホアン・アルカサー教授は英国に本部を置くグローバル通信グループのボーダフォンの日本でのオペレーションについての一連のケースを作成しました。Aケースではボーダフォンが2001年にどのようにして、当時世界でも最も進んでいた携帯電話市場であった日本に進出し、買収した会社の改革を行ったかについて説明しています。進出した当初は苦労しつつも、2003年時点ではボーダフォンはJ-Phoneと呼ばれる携帯事業のおかげで日本での事業展開は順調でした。2003年10月にはブランド名をJ-Phoneからボーダフォンへと変更し、グローバルでスタンダード化を図る戦略を加速していくことを発表しました。続くBケースでは「グローバルなスタンダード」を日本の携帯ユーザーが受け入れなかったため失速していくその後のボーダフォンの姿を描き、Cケースでは2006年のソフトバンクによるボーダフォンの買収(1.75兆円)とソフトバンク下の携帯事業について書いています。アルカサー教授はボーダフォンのカタール進出についてのケース(「ボーダフォン・カタール:中東における電話会社の設立」)も作成しており、日本とカタールのケースを比較することで、なぜ同じ会社がある地域では進出に成功し、他では失敗するのかを学ぶことができるようになっています。*ケースはまだ一般公開されていません。

Kanebo Ltd. (A), (B) and (C) (カネボウ株式会社(A) (B) (C)
デービッド・ホーキンス教授とスラージ・スリニバサン教授が連結決算制度とカネボウの粉飾決算に関するケースを作成しました。2005年4月、大手化粧品メーカーのカネボウが数々の不正経理を行っていたことが明らかになりました。日本の連結会計制度の改正にしたがい、2000年度より上場会社は連結決算書の提出が義務付けられましたが、カネボウは赤字の子会社数社を決算対象からはずしていたのです。この会計スキャンダルによって、日本の監査制度、会計基準、証券規制は多大な影響を受けました。ケースはIFRSの導入に対して、日本企業がどのように対応するか、特に連結決算に焦点をあてて考察します。

Ricoh Company, Ltd.(株式会社 リコー)
日本の大手コピー機メーカーのリコーは環境経営に真剣に取り組み、2050年までに環境負荷を2000年度比で1/8まで削減するという長期目標を設定しました。リコーは既に様々な環境イニシアティブを実行し、再生機事業は2006年度に黒字化しました。また、環境会計を取り入れ、毎年充実した内容の環境経営報告書を発行しています。しかし、経営陣は同社の環境活動の取り組みについて、投資家から十分に評価されていないことについて今後どのように対応すべきか決断を迫られます。

2009年

Nomura's Global Growth: Picking Up Pieces of Lehman(野村のグローバル成長戦略:リーマンの買収)
日本最大の投資銀行、野村ホールディングス株式会社は経営破綻したグローバル投資銀行のリーマン・ブラザーズの一部を買収することにより、大きく国際化を図る機会を得ました。野村の経営陣は、クロスボーダーの買収にかかわる様々な課題-多国籍企業の経営破綻、合併後の統合、為替ヘッジ、国際課税など-に直面することとなります。

Nippon Steel Corporation (新日本製鐵株式会社) 
国内最大手の鉄鋼会社、新日本製鐵株式会社の国際化戦略に関するケースです。グローバル・プレーヤーであるアルセロール・ミタル社の出現により鉄鋼業界には急速なグローバル化の波がおとずれ、新日鉄は早急な対応を迫られることとなります。同ケースでは、国際化を進めるにあたり企業が直面する海外での生産体制や企業構造の変革などの課題について述べています。

Consumer Lending in Japan: Citi CFJ (A) & (B) (日本の消費者金融業界:シティ CFJ (A) (B)
日本は従来から貯蓄率が高い国である一方で、消費者金融が発達しており、その高い収益性から銀行や海外投資家が参入する例がありました。近年ではGE Capital(1998年)とCiti Financial(2000年)が日本の消費者金融会社を買収することにより参入しました。2006年に大手の消費者金融会社に対して、過払い利息を借り手に返却することを求める判決がくだされました。その結果、過払い利息の請求が急増する中、Citi CFJは今後どのように対応すべきかの決断を迫られます。

Yoshiko Shinohara and Tempstaff (篠原欣子とテンプスタッフ)
トニー・メイヨー教授(組織行動)は、大手派遣会社の創業者であり代表取締役社長である篠原欣子についてのケースを作成しました。篠原社長はフォーチュン誌の「世界最強の女性経営者50人」に9年連続で選出されているただ一人の日本人女性です。篠原社長は、働く女性を取り巻く環境が非常に厳しい日本において、テンプスタッフを創業し成長させました。ケースでは、彼女がどのようにこれらの課題を乗り越え、リーダーとして成長していったかについて論じています。

TOTO: The Bottom Line (TOTO株式会社) 
TOTO は米国市場に1989年に進出して以来大きな成果を上げてきましたが、プレミア商品である"ウォシュレット"の販売は苦戦を続けていました。日本では大成功を収めたウォシュレットですが、米国市場においてもウオッシュレットの販売に固執を続けるべきか決断を迫られます。海外市場における行動や文化、制度的障壁について触れるとともに、企業のアイデンティティーやカルチャーについても述べています。

Yataro Iwasaki: Founding Mitsubishi (A) (B) (岩崎弥太郎:三菱の創業 (A) (B)) 
明治維新による社会の急速な変容を機会として捉え、下級武士の出身でありながら、海運業と後の三菱の土台となる様々な事業を立ち上げ豪商となった岩崎弥太郎の人生を描くことで、19世紀後半以降、日本はなぜあれほど早く江戸の封建社会から近代工業化社会へと変容することができたのか、その変革において起業家・岩崎弥太郎が果たした役割は何か、について考えるケースです。続編のBケースでは、弥太郎の死後の三菱と日本郵船(海運業は三菱から切り離され日本郵船となった)の発展の歴史を1945年まで描いています。「グローバル資本主義の形成」のクラスで使用されています。

Aderans (株式会社アデランスホールディング)
2008年5月の株主総会において取締役の選任が全員否決されたことに伴い、ヘッジファンドで大株主のスティール・パートナーズは、3つの選択肢の中から対応を迫られました。新しい経営陣を送り込むか、他の投資家を探して売却すべきか、他の事業会社を探して売却すべきか-いずれの選択もスティール・パートナーズにとってレピュテーションと金融上のリスクを伴うものでした。

Kinyuseisaku: Monetary Policy in Japan (B) (日本の金融政策 (B))
2008 年に作成した日本の金融政策に関するケースの続編です。2009年の初め、米国のサブプライムローン問題を引き金に世界経済が低迷し、日本経済も厳しい状況にありました。輸出企業の業績低迷により失業率が上昇しさらに景気が後退する中、日本銀行総裁白川方明は、金融危機を乗り切るためにCPや国債の買い入れなどの「非伝統的政策」を講じる決断を迫られます。

HOYA (HOYA株式会社) 
2007 年4月、HOYAはペンタックスの買収を友好的なものから敵対的買収に変更すべきか決断を迫られていました。敵対的買収を行えば日本社会において反発を受け、買収後の統合プロセスがより複雑になるリスクがあります。一方、買収に関してペンタックスの経営陣からの強い反発があり、大株主であるスパークス・グループが買収の条件に関して関与するようになってきました。このケースは、企業価値、コーポレート・ガバナンス、アクティヴィスト、買収プロセスにおける戦術、企業統治に関する日本のマーケットの特異性等多くの課題について触れています。

Consumer Payment Systems - Japan (日本の消費者の支払い方)
2008年時点の日本では、現金決済でクレジットカードの利用がいまだ少ない一方で、非接触技術を利用したカードや携帯電話に搭載されているeマネーの市場が急速に拡大している、など、日本における消費者の支払いの仕方の特徴をまとめたケースです。このケースは「アメリカの消費者の支払い方」というケースと合わせて、「ネットワークビジネスの運営」というクラスで使用されています。


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2008年

The Restructuring of Daiei(ダイエーの再建)
リチャード・ルーバック教授(ファイナンス)は、政府系のプライベート・エクイティ・ファンドである産業再生機構(IRCJ)に関するケースを作成しました。同ケースは、経営破綻した最大手のスーパーマーケット・チェーン、ダイエーの再建への取り組みに焦点を当てています。このケースは、メインバンクの役割など日本の金融システムの制度上の特徴と、IRCJのユニークな役割について論じています。

The Globalization of East Asian Pop Music(東アジアのポップ・ミュージックのグローバル化)
ジョーダン・シーゲル教授(ストラテジー)は、アジアのポップ・ミュージック産業についてのケースを作成しました。同ケースは、日本と韓国の企業が自国の歌手を海外に売り出す取り組みに焦点を当てています。このケースは、なぜ特定の市場が他の市場よりも収益性が高いか考察しています。また同ケースを通じて、グローバル戦略(アメリカとヨーロッバの市場に焦点を当てる)と地域戦略(東アジアに焦点を当てる)を比較することもできます。

mixi(ミクシィ)
ミシェク・ピスコロスキ教授(ストラテジー)は国内最大手のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を運営する株式会社ミクシィについてのケースを作成しました。同社は1997年に、当時22歳の学生だった笠原健治(現代表取締役社長)によって創設されました。このケースは、ミクシィがどのように日本の文化やコミュニケーション・スタイルの特徴に合うようにサービスを開発したかについて論じています。過去数年間で急成長を遂げ、会員数も1000万人以上を突破した2007年の夏、笠原社長は同社をさらに成長させるための戦略上の選択肢を検討し始めました。

Carlyle Japan(カーライル・ジャパン)
デイビット・ゴーデス(マーケティング)は、米国の大手プライベート・エクイティ投資会社の日本の拠点、カーライル・ジャパンについてのケースを作成しました。カーライル・ジャパンは、機密情報にアクセスできるメインバンクのネットワークを活用して成功を収めました。しかし、ちょうど同社が最初のファンドよりかなり大規模な二番目のファンドを立ち上げた頃から、魅力的な新しい投資先を見つけることが次第に困難になってきました。

Sony Digital Entertainment(ソニー・デジタルエンタテインメント・サービス)
アニタ・エルバース(マーケティング)は、ソニー・デジタルエンタテインメント・サービスの携帯小説のコンテンツを開発する取り組みに焦点を当てたケースを作成しました。このケースでは、まず日本の若い世代がどのようにして携帯電話で小説を書いたり読んだりするようになったかを論じた上で、新しいコンテンツに基いて持続可能なビジネスモデルを構築するにあたっての同社の課題について述べています。

Terumo(テルモ株式会社)
デイビット・ゴーデス(マーケティング)は、日本の大手医療機器メーカーのテルモ株式会社についてのケースを作成しました。グローバル企業との熾烈な競争と日本の医療制度の大きな変化に直面し、同社の心臓・血管事業部門のトップは、戦略的新製品「ソリューションパック」のマーケティングを改善しなければなりませんでした。更に、米国市場への直接販売を開始すべきかの決断も迫られていました。


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2007年

Kazuo Inamori: Japanese Entrepreneur(稲盛和夫―日本の起業家)
トニー・メイヨー教授(組織行動)は、京セラ株式会とDDI(現KDDI)という、フォーチュン500社に数えられる企業を二社設立した稲盛和夫についてのケースを作成しました。このケースは、稲盛の、小さなベンチャー企業にとって困難な環境の中で京セラを創立し育成した努力と、NTTに競合する新しい電気通信事業会社を設立するという挑戦について論じています。同ケースでは、稲盛のリーダーシップに影響を与えた環境要因を探ります。

Roppongi Hills: A City Within A City (六本木ヒルズ: 都市の中の都市)

アニタ・エルバース教授(マーケティング)とアンドレイ・ハジュー教授(ストラテジー)は、六本木ヒルズについてのケースを作成しました。六本木ヒルズは、日本の大手不動産開発会社である森ビルが手がけたおよそ12万平方メートルに及ぶ東京の複合施設で、オフィス、住宅、小売店やレストラン、ホテル、映画館、美術館からなります。同社の森稔社長は、赤字が続く美術館の将来について考えています。

Secom: Managing Information Security in a Risky World
(セコム:危険な世界での情報セキュリティの管理)


ロブ・オースティン教授(技術・生産管理)とウォーレン・マクファーラン教授(ゼネラル・マネジメント)は日本のセキュリティ・サービス最大手のセコムについてのケースを作成しました。電子商取引サイトを運営する JashopperのCEOの関根守は、セコムからの提案を研究し、設立間もないITベンチャーである同社のセキュリティの基準をどのように設定すべきか検討しています。このケースは、個人情報保護法により、より高水準の情報セキュリティが企業の経営者に要求されるようになったという最近の環境の変化に焦点を当てています。

Production I.G: Challenging the Status Quo (プロダクション・アイジー:現状への挑戦

アンドレイ・ハジュー教授(企業戦略)、フェリックス・オーバーホルツァー教授(企業戦略)とタルン・カナ教授(企業戦略)は、日本のアニメ業界に関する研究を行い、「日本のアニメ業界は高い競争力があるにもかかわらず、なぜ日本にはディズニーに匹敵する大企業がないのか」という問題に焦点を当てました。このケースは「攻殻機動隊」など優れた作品を制作しているプロダクション・アイジーが直面している課題と同社の石川光久社長に焦点を当てています。

Fujifilm: A Second Foundation (富士フイルム:第二の創業)

メリー・トリップサス教授(アントレプレナー・マネジメント)とジョヴァンニ・ガヴェッティ教授(企業戦略)は、富士フイルムについてのケースを作成しました。2000年には利益の50%を占めていた写真関連商品の売上が、デジタルカメラへの移行に伴い、毎年 20%以上減少しました。このような環境の変化に対して、古森重隆社長は「第二の創業」を行うべく、様々な施策に着手しました。このケースでは、これらの施策と古森社長が組織文化と社員の意識改革を行うにあたって直面した課題に焦点を当てています。


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2006年

Information Technology and Innovation at Shinsei Bank
(新生銀行におけるITとイノベーション)


ディビッド・アップトン教授(技術・生産管理)とリサーチ・アソシエイト、ヴァージニア・フラーは、新生銀行についてのケースを作成しました。同行は、ティエリー・ポルテ(MBA1982)が取締役代表執行役社長を務めています。ジェイ・デュイベディ(専務執行役、ITインフラ担当)は、革新的で顧客重視の個人向け銀行サービスを提供するために、大型汎用コンピューターを、ウインドウズ・パソコンと公共の通信ネットワークをベースにした柔軟なシステムに置き換えました。

Shinsei Bank: Developing an Integrated Firm (新生銀行:一体化への取り組み)

トム・デロング教授(組織行動)は、多様な文化を統合し、組織の変革を図る新生銀行の挑戦についてのケースを作成しました。ティエリー・ポルテ(MBA1982)取締役代表執行役社長は、トム・ペダーセンをこのイニシアチブの陣頭指揮を執るチーフ・ラーニング・オフィサーに任命しました。このケースは、ぺダーセンが、同行の企業文化に影響を及ぼす手段として業績評価プログラムを採択した際に直面した課題について検討します。

Takashimaya in Transition (過渡期の高島屋)

ラジヴ・ラル教授(マーケティング)は、日本の最大手の百貨店、高島屋についてのケースを作成しました。2003年3月に就任した鈴木社長は、コスト削減を実施し収益拡大に成功しました。しかし、今度は、売上(特に収入の36%を占めるアパレル部門の売上)を伸ばすために確固たる計画を打ち出さなければなりませんでした。

Livedoor (ライブドア)

ロビン・グリーンウッド教授(ファイナンス)は、32歳のCEO堀江貴文が経営するインターネット・ベンチャー企業のライブドアについてのケースを作成しました。このケースでは、同社が日本で最大のテレビ放送局フジテレビの経営権を掌握しようとした試みに焦点を当てています。2005年の初め、フジテレビの日枝久会長は困難な立場に立たされ、幾つかの選択肢を検討していました。

Chrysanthemum and Dragon: JAFCO Asia in China
(菊と龍: ジャフコ・アジアの中国進出


ラウィ・アブデラル教授(BGIE)は、日本最大手のベンチャー・キャピタル、ジャフコについて、中国における投資活動に焦点を当てたケースを作成しました。このケースではマクロ経済環境と政治環境がジャフコの中国における投資と戦略にどのような影響を与えるか論じています。このケースは「国際貿易と投資の管理」という2年生の選択科目で使用されました。

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